遺言書

遺言書と協議書

遺言書の中の登場人物

遺言書を作成するとき、誰に何を相続させ、誰に何を遺贈するなどと書きますが、その人物がはっきりわかるようにしなければなりません。世の中には同姓同名の人もいるのですから、誰なのかはっきりわかるように指定するのです。書き方がわからなければ、しつこく、こと細かに書けばよいでしょう。スマートではなくても、はっきりすればよいのです。

遺言書 中原区 行政書士

登場人物の特定方法

以下は人物(法人)を特定する方法の例です。必ずこのようにしなければならないというものではありません。遺言書に限りませんが、詳しく書き過ぎているからダメということはありません。

  • 親族関係にある人の場合・・・続柄・氏名・生年月日
  • 親族関係にない人の場合・・・住所・氏名・生年月日
  • 胎児(生まれる予定だが、まだ生まれていない子)の場合・・・「妻A子の胎児」
  • 法人の場合・・・本店・主たる事務所・商号(名称)

胎児の権利

胎児に遺言で財産を譲ることも可能です。どのような場合に用いる制度かと考えてしまいますが、あらかじめ認知しておくというのは、昔、男性(夫)が戦地へ赴く前などに利用した制度のようです。

人は生きて生まれたときに権利義務の主体となるとされていますから、胎児はまだ「人」とは言えないのが原則です。しかし、公平性や生まれてくる子の幸福のために、

  • 不法行為に基づく損害賠償請求権(民法721条)
  • 相続(民法第886条)
  • 遺贈(民法第965条)

の上記3つについては、権利があるものとして扱われます。もし生きて生まれてこなければ、上記の権利も初めからなかったことになります。

「胎児が生きて生まれるまでは、まだこの世にいないのと同様に扱う場合」と、「胎児であれば、生きて生まれてくる可能性が高いので、生きて生まれてきたのと同じように対処しないと不都合の生じる場合」があります。
たとえば、多くの財産を持っている父が死亡して、その遺産を

  • 妻が2分の1
  • 子供たち全員で2分の1

の割合で相続するというのはよくあるケースです。この場合、妻はもちろん、幼い子供たちも資産家になる可能性が高いです。

しかし、父が死亡する前に胎児がいるとすると、胎児はまだ権利を認められていませんから、その子は父の死亡後わずか数か月して誕生したために、父からの遺産を受ける権利がないことになります。父が生きているうちに誕生した子であるAとBはそれぞれ等分に△△円(たとえば5億円ずつ)を得たのに、父の死後数か月して誕生したCは父から受ける財産がゼロということになってしまいます。これはいくらなんでもかわいそうです。{「かわいそう」というのを専門家は「酷である」ということが多いです。)そこで、こういう場合にも不公平感のないようにするための工夫として、胎児も「子」であると仮定します。

離婚のときに

上の例は「父が死亡するかもしれない」という設定でしたが、子が母の胎内にいるとき(つまり胎児の時です)に、父母が離婚するとどうなるでしょうか。

分娩によって誰が母なのかは明らかですが、出生時に父母は離婚していますから、その子にとって甲男さんは父であっても、甲男さんと母とは他人同士です。甲男さんが父かどうかについて懐胎時期とか離婚日とか認知とかいろいろな論点があります。

離婚のときに胎児がいるとすれば、その子の養育費の問題があります。離婚協議書にもその点は記載が必要だろうと思います。その子が20歳になるまでの養育費となると、かなりの額でしょう。

これから生まれてくる子が甲男さんの子であれば、離婚しようとどうしようと、(妻と夫は離婚すれば他人同士ですが、)その子はずっと甲男さんの子です。

遺言書は死亡するまでに作成すればよいのですが、はっきり言って、いつ死亡するかは誰にもわかりませんし、かなり若いうちから判断力の落ちる場合もあります。離婚後に出生すると母が親権者となるでしょう。母と子は一緒に暮らすと思いますが、子は生まれてから一度も父と顔を合わせることがなく、父の死亡も知らず、父の葬儀にも参列しないかもしれません。

その場合も、その子は父の法定相続人です。父を相続する権利があります。父としては、その子の相続分について、何か特別なことをしてをしておきたいということはないでしょうか。胎児がいるときとか、未成年の子がいるときに離婚したなら、離婚後すぐに遺言書も用意した方がよいかもしれません。

協議書の行政書士

彩行政書士事務所では、協議書・合意書・示談書等の業務をお引き受けしています。私たちの実生活に関係する事項を証明するような書類(固苦しくいうと「われわれの実生活に交渉を有する事項を証明するに足りる文書」であり、これは行政書士の独占業務です。事案の性質によっては、もちろん弁護士も作成できる書類ですが)を多く取り扱っています。

このホームページで「遺言書」についても紹介する必要があるのは、協議書・示談書・合意書・内容証明郵便などと似たような点があるからです。遺言書や遺産分割協議・相続については、彩行政書士事務所の【遺言書・相続の彩行政書士事務所】もご参照ください。

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